幼い頃、おばあちゃんに「よく噛んで食べなさい」と言われてたのは私だけではないと思います。
いつの時代もおばあちゃんの言うことは正しいものです。
物を噛むという事は私たちの健康や美容に大きな影響があります。
どんな効果があり。どれくらい噛めばよいのかを紹介します。
メリット1 消化器の負担が軽減される
食事をした時に唾液が出てきます。
この唾液に含まれているのが『アミラーゼ』という消化酵素で、デンプンやグリコーゲンを分解する役割を持っています。
よく噛んだ食物は、より多くの唾液(アミラーゼ)によって分解されます。さらに咀嚼することによって食物が細かくなり十分な水分(唾液)が食物をつつむ状態になります。
胃に運ばれた食物は胃液に含まれる酵素によってタンパク質をペプトンへと分解します。
このとき食物が大きなままであれば胃に負担をかけてしまいます。消化不良の原因にもなってしまいます。
『唾液』は私たちに馴染みがありすぎて消化液を含んでいることを忘れがちです。食べ物を一番初めに消化するのは唾液なのです。この唾液は咀嚼を行えば行うほど出てきます。
さらに、唾液に含まれるラクトペルオキシダーゼが発がん性物質を無毒化するという研究もあります。
メリット2 口臭予防・歯周病・虫歯予防
咀嚼によって出る唾液は消化酵素としての働きだけではありません。
唾液には口内の食べかすなどのゴミを流してくれる役割があります。
唾液が少ないと食物が口内に残り、細菌が増殖してしまい口臭や歯周病・虫歯の原因となるのです。
また、コーヒーやタバコなどの着色も唾液によって緩和されます。
咀嚼によって出る大量の唾液は口内を清潔に保ってくれるのです。
メリット3 ダイエット効果
ダイエットにも効果を発揮します。
物を噛み咀嚼中枢を活性化させると、満腹中枢が刺激され満腹感が出てきます。
また咀嚼によって分泌されるセロトニンやヒスタミンも満腹中枢を刺激してくれます。
また、充分な咀嚼を行うことで食事時間が長くなります。
満腹中枢を刺激して満腹感を出してくれる主役はレプチンというホルモンです。
レプチンは血糖値が上がり脂肪細胞が刺激されて始めてから分泌を始めます。
レプチンが分泌されるまでに、食事を始めてから20分のタイムラグがあります。充分に咀嚼をしてゆっくり食べることによって、満腹感が出てくるのです。
メリット4 ストレスを和らげ脳を活性化させる
前述の咀嚼によって分泌されるセロトニンは、脳内で作られる神経伝達物質です。つまり神経と神経の間で情報を伝達、調整をする役割を持っているのです。
例を挙げると、
視床の作られるドーパミン(快感や多幸感を司る)やノルアドレナリン(やる気や意欲の向上と緊張・不安・恐怖を司る)がある青斑核などに影響を与え、コントロールし精神の安定を整える働きがあります。自律神経を正す役割もあります。
他にも前頭葉、線条体、海馬、扁桃体、脊髄などに影響を与えます。ここでは説明しきれないほど脳に良い影響を与えるのです。
メリット5 アンチエイジング
美容にも大きな効果があります。まず、前述の脳の活性化によって、ストレスなどから解放される等の精神的な効果もあります。
さらに、咀嚼によって顔の筋肉が鍛えられます。これによって、シワやたるみが出来にくい顔になります。
また、あごが鍛えられてアゴのラインがシャープになり、小顔になるのです。
顔の筋肉が発達すると表情も豊かになります。歳をとっても、笑顔が素敵な女性でいられると魅力的ですね。
よく噛んで食べる習慣
他にも挙げればきりがないくらいメリットがあります。
「よく噛んで食べましょう!」
と言われても習慣を直すのは難しいですよね。
柔らかいものを30回噛んだらなくなりますよね?
おばあちゃん世代の方と私たち世代の食品では、食べ物の固さが違います。
固い食べ物を食べるようにひと工夫しましょう。柔らかい豆腐にもジャコやゴマを入れるとよく噛めるようになると思います。
また、弾力がある食べ物(コンニャク、魚介類)もよく噛んで食べることができます。
焼き魚は、噛めば噛むほど味がでます。噛めば噛むほど味が出る物は噛んでいても苦にならないですよね。お米も噛めば噛むほど甘くなります。雑穀を混ぜればなおさらです。
一口食べたらお箸を置いたり、お友達や家族とお喋りしながら食事をするのも効果的ですね。
食事以外ではガムやスルメを噛むのもいいですね。
健康や美容のためにわざわざ何かをするより、普段の生活を少し見直して健康・美容に効果があれば楽ですよね。